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兵庫県出身
97年に信州にIターン 安曇野市在住 ホームページ 写真工房 道 リンク集 平野虎丸のブログ 林野庁の林業暴走 山と野鳥が大好きなAmamiさんのフォトブログ フォトダイアリー信州 安曇野通信 日本アルプスの情景 カテゴリ
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シカの食害と林業の関係は?
熊本の平野虎丸さんが シカ害に悩む林産業?という?マーク入りのタイトルで記事を書かれています。全国各地で聞く問題でマスコミも盛んに報道するので、たぶん多くの人はそう思ってるんでしょうね。シカが山を荒らしていると・・・
ちょっと前の話ですが、伊那市、飯田市、大鹿村などでつくる南アルプス世界自然遺産登録県連絡協議会が大鹿村でシンポジウムを開き、高山植物などへの食害が深刻化しているニホンジカへの対策を考えた。と翌日の信濃毎日新聞が伝えています。その中で、 「シカ 林道沿いで捕獲を」 信大農学部の竹田謙一准教授が講演し、シカが移動に利用している林道沿いでの捕獲を提案し、傾斜が急な場所では捕獲や搬送作業が難しいことに加え、林道沿いに生えた草を食べに来るシカも多いため、「対策に向け、頻繁に出る場所を詳しく調べたい」としています。 移動に利用しているだけでなく、林道そのものが餌場になりシカを増やしています。うっそうとしたブッシュに覆われた森の、獣道沿いの限られた餌場で補食していたシカに林道建設や皆伐により光が射込み、若い下草が生える餌場が与えられるのです。餌と快適な移動経路を与えられたシカが爆発的に増えるのは当然です。各地のシカによる被害、あるいは駆除数と林道や遊歩道の関係を調べてみれば見事に比例するでしょう。 補食の機会が増えれば生息数が増えるのは誰でもわかること。シカを増やした張本人である林産業がシカ害に悩む?というのはなんともおかしな話だと思いませんか?したがって「農林業被害」という言葉もおかしいわけで、農家と同じく被害を受けている印象を受けますが、食害を受けた農家は林産業に文句を言うのが筋というものです。この准教授が言う通り、急斜面での搬送作業が難しいのは、捕獲したシカに限らず伐採した木も同じこと。加えて急斜面の林道は崩れやすく復旧工事のコストもかかります。これだけのリスクを負って、なおかつ植林面積の狭い奥山に植林する必要がどこにあるのかと思います。 エネルギー問題のEPRという言葉を聞いたことがありますか? Energy Profit Ratio 簡単に言えばエネルギーを得るためにどれだけのエネルギーを消費するかという効率を表す指標だそうです。身近で簡単に得られ、しかも良質なエネルギーを消費し尽くした人類は、効率で言えば恐ろしく悪く、しかも恐ろしいリスクを負った深海の海底資源に手を付けています。メキシコ湾の流出事故も起こるべくして起こった悲劇。奥山への植林も同じことです。 僕らしく簡単に例えると・・・ ハシゴの届かない高い枝にあるたった数個の柿をとるのに、数万円もする更に長い三段バシゴを買って危険を冒してまで穫りますか?家にあるハシゴで安全に穫れる柿だけ食べて、後は鳥にでも食わしてやれ!そう言いますよね。鳥だって分け前をもらえるから秋になるまでせっせと虫を食べて糞をして柿を育ててくれてるのかも。それが人と野生動物の良好な関係というものです。 シカの食害の原因のひとつが林道だとわかっても、奥山での林業を止め、林道を元の自然林に戻そうとはしないどころか、その林道沿いで捕獲を!とは・・・ 人間というのはどこまで恐ろしい生き物なんだと思います。 自然界の異変の原因はほぼすべて人間の経済活動にあります。それに気づいたら止める。ひとつの間違いにもうひとつ間違いを重ねて正しく見せても、それは更に症状を重くして先送りするだけです。止めることなくして根本的な解決はありません。
by michiyuki176
| 2010-07-14 23:41
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