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兵庫県出身
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地球のリズム
先日、新聞の地方欄に、スキー場跡地にブナを植樹したという記事が載っていました。この話題を最初に聞いたのは去年の秋でした。使われなくなったスキー場跡地にブナを植えようと言う話でしたが、これに反対する人達がいる・・・ということでした。 なんで? なんでブナを植えるのに反対なのか? 記事によると、近くには別荘地もあり、ブナを植えると熊が好物の実を食べに集まるんじゃないかと心配したそうです。たしかに去年の秋頃、各地で熊が頻繁に出没し話題になってはいましたが・・・
ブナは成長が遅く、実を落とすまでになるのに百年近くかかるんだそうです。たしかに僕が何年も前に撮影した幼木は今もまだ幼木のままです。人間の赤ちゃんは、スクスクと成長し、ちょっと会わないでいると、あっという間に大きくなってます。街もしばらく見ないでいると、すぐに変わっていきます。杉林も、庭に植えられた木も、街路樹もすべて人のスピードにあわせて、急いで成長していきますが、ブナの森は違います。人の時間と関わりなく、ゆっくりと動いています。そう、「地球のリズム」とでもいうんでしょうか。 先週、撮影の帰り道で、17年度森林整備事業と書かれた看板を見ました。ブナ林に隣接する杉林がすべて伐採され、ブナの苗木が植えられていました。その杉林は元々、そこにあったブナを伐採して植えた杉林なんですが・・・。このブナ達が元の保水力を発揮するまでになるには、百年の時間が必要でしょう。 かつて日本はブナに覆われていたといいます。僕の手元に昭和35年発行の辞書がありますが、それによるとブナは「山野にはえる、いちばん普通の雑木。・・・薪や炭にする。」と載っています。かつてブナは何処にでもある普通の木だったのです。ブナの森は人や動物達に恵みを与え、薪や炭など、人が暮らしの中で必要とする程度の人力による伐採に対しては十分な回復力を持っていたのでしょう。でも人は、百年以上もかかって成長したブナを、チェーンソーを使い、たった十数秒で切り倒し続けたのです。 今、かつてブナを役に立たない木として伐採し続けた人間も、ようやくそれが間違いだと気づいたようです。各地でブナを植えようという動きも始まっています。 スキー場跡地も半年間延期はされましたが、先日、無事ブナの植樹が行われました。 まだまだブナたち落葉広葉樹に対する理解は深いとは言えないのですが、少しづつ変わり始めているようです。「百聞は一見に如かず」といいます。ブナの森を訪ねてみて下さい。小さな宇宙ともいわれるブナの森で繰り返される命のサイクル、ゆっくり流れる森の時間、「地球のリズム」を感じてみて下さい。 春、雪が融けが進み、突然、雪の中から跳ね上がる。この季節、森のあちこちからその時の音が聞こえる。息を殺して撮影している時、突然、すぐ後ろで跳ね上がると腰が抜けるくらいビックリする。
by michiyuki176
| 2007-06-05 01:53
| 自然 写真 山
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